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■ No.144 映画『巨大魔獣VS対策チーム』
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2010年12月08日(水) |
世間は、正義の味方よりも悪の組織の襲来を待っている。
「相模湾に巨大な化け物が出現! 港湾施設を次々に破壊しています!」
初めて出現した巨大な化け物。
巨大魔獣と名付けられたモンスターの出現に、市民や警察の悲鳴は悲鳴を上げた。
そして、その対策として作られた巨大魔獣対策チームはこう叫んだ。
「お茶でも出して、待たせてろ!」
全長三十メートルほどの巨大魔獣にお茶を出すプロジェクトは涙なくして語れないが、ここは割愛させて頂く。
問題は巨大魔獣対策チームの方だ。
巨大魔獣対策チームは混乱の極みにあった。
巨大魔獣出現の一報から、二十分で対策チーム発足が決定されたのは、愚鈍な政府にしては英断であった。
もちろん、政府主導ではない。
一人の熱心な科学者が巨大魔獣の襲来を予期し、準備をしていた成果だ。
そしてその対策チームには、全国から科学者、研究者が呼ばれもしないのに集結した。
「巨大魔獣を倒すのは、俺だ!」
巨大ロボ、合体ロボ、戦闘ロボ、戦隊チーム、改造人間……
それらを擁する科学者、研究者達のプレゼンが続けられていた。
「私の作ったライゼオン(巨大ロボ)には、宇宙から飛来した謎の物体をコアにし、選ばれたパイロットが念動力で操作します。 いや、パイロットの選出には苦労しました。 最近の若者はスプーンも曲げられないのかと……」
「六十二体合体。 これに勝てる化け物は居ないでしょう。 ええ、合体は僅か四十七分で完了します」
「最新鋭戦車並の移動速度に、戦艦の主砲を持つ攻撃力。 操作も簡単。 志願制でパイロットを募集できます。 問題点? 強いて言えば、国の方針で実弾を持たせて貰えない所でしょうか」
「すみません。 ブルーのヤツが緊張で腹を壊したってトイレに……」
「戦って良いのか? 殺って良いのか? どいつをブチ殺せば良いんだ?」
「銃刀法違反で警察に捕まった人が居るって連絡が来たんだけど、誰か引き取りに行ってくれないか」
「ああ、それ、俺のチームのヤツです。 俺が行きます」
「ここで科学実験は止めてくれ。 床が溶ける!」
「電力が足りないぞ! もっとかき集めろ!」
「動力が原子力は問題だろ」
「エコの面から考えれば、原子力が一番なんだよ」
ともかく、このチャンスを活かす。
それだけだった。
「コンペだコンペ! 巨大魔獣を倒すのは、コンペで決めるぞ!」
「おう、それは構わないが、一つ良いか?」
「なんだ?」
「巨大魔獣ってネーミング、変えないか?」
「賛成! 俺、ちょっとダサいと思ってたんだ!」
「はいはーい。 候補を聞いていくよー。 まずは巨大魔獣……」
「この映画。 コンペと巨大魔獣のネーミング会議で終わったぞ」
「二部作だって」
「ワイプでやっていた巨大魔獣にお茶を出すプロジェクトの方が面白かった」
「魔獣、正座して待っていたな」
「ワビサビの分かる魔獣だった」
「味にはうるさいけどな」
「三杯目のお茶で納得した時は、感動だったな」
「ああ。 二部の公開は来月って話だけど、観に来るか?」
「気になるけど、遠慮しておく」 |
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